人間国宝


平成30年10月27日(土)〜11月2日(金)

AM 11:00〜PM 7:00 

  28日(日曜)、2日(最終日)はPM 5:30までです。

銀座たくみ2階にて


魚文からから 12.5X9cm 
   

金城次郎


1912年 那覇市生まれ
1924年 壺屋で陶器を習う
1946年 那覇市壺屋に窯場を開く
1956年 国展新人賞
1969年 日本民藝館賞
1972年 読谷村座喜味に窯を移す
1977年 現代の名工
1981年 勲六等瑞宝章
1985年 人間国宝認定
2004年 没
   
唐草文ぐい呑 Φ8X5.5cm


 人間国宝 金城次郎展にさいして

  「たくみ」は昭和8(1933)年12月の開業ですから、今年は創業85年になります。

たくみと沖縄の縁は、柳宗悦、濱田庄司、外村吉之介先生たちが14年3月から数か月間、琉球工藝調査のために訪れたのがきっかけでした。そしてその年12月、東京高島屋を会場に「琉球新作工藝展」(日本民藝協会主催)を開き、たくみがそのお手伝いをしたのでした。

  その後太平洋戦争で沖縄島民の半分以上が死傷したという惨禍の中で、しかし壺屋は奇蹟的に登り窯が二つ残りました。21年1月、沖縄の復興とともに、金城次郎さんも新垣栄徳の窯のそばに自らの仕事場を持ち独立します。そしてマカイ(飯碗)やワンブー(丼)、皿、徳利、厨子がめをはじめ求められるあらゆる器を作り続けました。

沖縄らしさを失うことなく、しかし誰の真似でもない独自の作風を心がけた次郎さんの作品は、濱田先生の強い支えもあって次第に人気を呼び、本土復帰前の昭和46年、東京のたくみで第一回の作陶展を開催します。

この会は、金城次郎という一陶工の作品を東京の目利きに認知してもらおうという、濱田の強い希望によって企画され、出品作品はすべて次郎の窯で濱田自ら選んだものばかりでした。

 そのころ私は次郎さんの作による百数十に及ぶ水滴の数々を見たことがあります。十数種に及ぶ形の多様さと、草文、くし描き、象嵌、いっちん、二彩、点文、ハート文など興に応じて描かれる多彩な模様は次郎さんならではのものでした。そして次郎さんは、昭和60年3月、国の重要無形文化財指定、いわゆる人間国宝に認定されました。

 

 このたびは、昭和47年に読谷村に移る前の壷屋時代の次郎とその周辺作家の作品を数多く出品いたします。次郎が築窯した昭和21年から47年の壷屋の空気をお感じ頂ければと思います。

             志賀直邦



 
巴文マカイ Φ15X7cm
   
緑釉香炉 Φ16.5X8.5cm
  
魚文からから 17.5X11.5cm
   
竹文筆立 Φ8X13.5cm
 
唐草文皿 Φ15cm
   
点文油壷 Φ17.5X20cm


 
魚文皿 Φ26cm
   
窓絵点文按瓶 22X25cm

*誠に恐れ入りますが、ご予約は承っておりません。ご来店をお待ちしております。