太平洋戦争が終わって間もなくの昭和二十年の晩秋のころ、芹沢銈介図案・制作による手漉き和紙十二枚に染められた、1946年度版カレンダーが発表されました。
このカレンダーは、当時たくみの役員であった山本正三の発案でしたが、アメリカによる占領下、米軍高級将校の奥さんたちからの強い要望があって、米本国向けのクリスマス・ギフトとして考案されたものでした。
和紙に型紙を用いて、顔料などで模様を染める技法は芹沢銈介の創案で、戦前の代表作としては、ボストン美術館に収蔵された「絵本どんきほうて」や、「法然上人絵伝」があります。
芹沢はのちに「型絵染」による業績によって人間国宝に指定され、また文化功労者にも選ばれ、パリのグランパレ美術館で大きな展覧会が開かれるなど、その評価は海外にも及びました。
型染のカレンダーも内外で大きな反響を呼び、今日まで実に五十年以上も広く愛好されてきました。
芹沢亡き後もご遺族監修のもと、弟子の協力により復刻版が制作されてまいりました。 2025年は復刻版も一巡し、芹沢生誕130年でもあり、これを節目としてご遺族の以降もあり終了の運びとなりました。
芹沢の作風は日本中世の絵巻や丹緑本、あるいはヨーロッパのゴシック時代の書物を彷彿させ、親しみのなかに格調高いものがあります。
それとともに工芸家としての芹沢の才能は、じつに多岐にわたる用途の作品を生み出しました。きもの、帯、屏風、のれん、卓布、風呂敷、装丁本、物語絵、ガラス絵、蔵書票そのほか枚挙にいとまがありません。
それらのなかから、なるたけ親しみ易い作品を選んで、たくみで販売をいたしております。
型染うちわもお作りしております。
型染小品、文字絵、うちわ絵、物偈、板絵 27,500円より
物語絵(極楽から来た、どんきほうて、十三妹) 41,800円より
法然上人絵伝 71,500円より
掛軸、屏風、のれん、着物・着尺 88,000円より
型染カレンダー 18,700円
卓上カレンダー 1,320円
型染うちわ 6,600円